年功序列に近く、評価により前年度の基本給にプラスマイナスがされる。但し、2021年の人事評価制度改訂で、その変動幅が変わり、住宅手当が段階的に廃止されることになった。前年度の収入が下回る社員が大半となった結果、人材流出が止まらない状況になっている(毎月5名ほどが中途入社するのに対し、約40名が退職)。人事制度改訂が、「ある程度は会社に不満を抱えつつも満足する点もあり、相応の愛着を持ちながら働いている」という社員層の退職トリガーを、引いてしまった印象がある。

ケーブルテレビ自体が斜陽産業なことから、新しいビジネスモデルの構築や、既存ビジネスモデルのテコ入れに躍起になっている。意識高い系の人が新しいビジネスを考え、売上や利益について机上の空論で見立てをして、役員の承認を経て空論を形にしようとするが、そもそもの見立てが甘く、収益にまで至っていない。総じて言えば、個人のお客様に利用料金を請求する、というストックビジネスから抜け出せておらず、ケーブルテレビから見ると補完的なビジネスモデルしか生み出せていないのが現実である。

規模が大きい会社のためか業務が細分化されているので、業務改善をしようにも他部署の影響やシステムの改修に時間が掛かる。新しいサービスを投入する場合も、限りある時間の中で業務影響を調べる必要があり、サービスインした後に考慮漏れや不具合が発生することが頻発している。

在宅勤務が増えた分、会議室の空き関係なくWebで会議ができることになり、会議時間が長くなった。その結果、勤務時間の長期化に繋り、対面での従業員の労務管理ができなくなっている。実質は放置状態で、自分で業務量と労働時間をコントロールする能力が必要となる。また、コロナ禍以前に所属した部署は、何れも時間外労働無しでは終わらない業務量で、1日2～3時間の残業は当たり前だった。拠点にもよるが、時間外勤務が前提の配置人数になっている部署が数多くある。1年に何度も残業削減による業務見直しが叫ばれるが、新サービス導入、トラブル対応等で業務が増えるため、根本的な解決には至らないし、暫くするとまた長時間労働に戻ってしまう。出勤日は、プライベートの予定を入れることは厳しい。

買収を重ねて拡大したことから、新卒のほか中途入社、出向者など、様々なバックボーンを持った人がいて、多様な人材がいる分、企業理念の浸透を目的に、それに即した研修が行われていた。そういった全社研修は比較的多い。また、不正や業務外非行が発覚したときも、注意喚起のために研修が行われる。どちらかと言えば、未然に防止するためというより、発覚後に再発しないのが開催目的となっている。唯一良いのは、社内で開催さる講演会や勉強会で、これらは後日E-Learning でも視聴が可能なため、視聴する機会が多い。業績目標の中に自己啓発に特化した項目があり、E-Learning 視聴を目標とするケースが多い。

WebでのSPIを受け、1週間ほど後に面接連絡があり、事前に職務経歴書を提出。面接は1回で、平日の18時から1時間程度の実施だった。平日の就業後に時間を割いてくれて、その点は好印象。面談者は3名で、自分のキャリアを一通り説明して、その後は志望理由や経験スキルを問われた。当時、全社的に特定スキルを持つ人員補充を行っており、自分がそれに合致した模様。

月に30,000円支給されていた住宅手当が廃止になったのは大きく、これによりレンジが低い社員を中心に退職者が相次いでいる。会社に対する社員の帰属意識は薄く、待遇やオフィス環境、企業規模により、「他社よりは良い」という意識で就業を続けている人ばかりなのが実情。

会社への不満を挙げれば切りがないが、一番は長時間労働。その原因は、会議のための会議、資料作成のための資料作成、5分のプレゼンのために5時間を費やす準備など、明らかに無駄な作業が業務の半分以上を締めていたため。また、他社と比べて競争力や優位性がないサービスでも、極限までお客さまの満足度向上や効率化を追求するため、従業員に会社への帰属意識は無く、従業員の不祥事やお客さまからのクレームは日常茶飯事である点も、今後の将来性に疑問を呈することだった。行き過ぎた品質追求と、利益・効率化至上主義に歯止めが掛からないと、社員が精神を病んだり、退職人数が入社人数を上回る状況は変わらないと思う。

年齢層は高齢者が多く、実際にサービスを使われているのか不明でもある。ケーブルTV、インターネット、固定電話のほか、今はモバイル、電気、ガスも提供しているが、扱う商材が増えたことにより営業やカスタマーセンターでの対応に時間が掛かるようになっている。

部署にもよるが、女性管理職の数は男性に比べて半分以下になっており、決して多い方ではない。また、管理職になれば激務で家庭との両立が厳しいため、昇格を望まない女性も相当数いるものと思われる。