福利厚生は制度としては一応整っていますが、女性が結婚・出産とライフステージを経ていったときに、仕事と完全に両立を実現するのはむずかしい環境にあります。転勤に関してはほとんど私的事情は考慮されませんし、わがままをいったところで今度は記者職をつづけていけない、というような状況になります。今後の自分自身の人生を考えたときに、転職を決意しました。

ワークライフバランスについては、ほとんど期待はしないほうがよいと思います。締め切りの関係で拘束時間がどうしても長くなるし、担当によってはいつ呼び出しがかかるかわからない状況なので、プライベートの予定は非常にたてにくいです。育児や介護にあたっては企業として必要な制度は備えていますが、実際利用するとなると職場からの目線は冷たく、働きやすい職場とはいえないと思います。

基本的に人に話を聞いて、その内容を記事にするというシンプルなことが仕事になるので、日々の仕事を通じてそれ以上のスキルが身に付く、ということはまずないです。いろいろな分野・業界の人と出会う機会がありますが、「会っている」だけではスキルはつかないので、自主的に勉強することが求められます。本社に配属になれば、留学制度などもありますが、競争率は非常に高いです。

よい関係を築けるかどうかは、上に立つ人物がどのような人かという偶然と運による部分が大きい。同僚は信じられないようなパワハラを受けていたし、私も仕事もないのに休日出勤を強要する上司などに当たったこともあった。ただ一方で、理解のある上司に恵まれ成長させてもらったこともあった。どちらにせよ、入社してから数年は地方の総局勤務になるが、2〜3年単位で必ず転勤があるし、1〜2年待てば管理職も変わる。一時的なものだと思えば、悪い環境でもよっぽどのことがなければ我慢はできる。

出産・育児は私自身は経験していませんが、制度こそあれ、職場の理解度は低いといわざるを得ません。先輩で妊娠出産をした人もいましたが、具合が悪くなって休んだり、産休をとっているあいだも、とりわけ男性社員はかなり陰口を叩いていました。企業全体として、そうした「仕事以外」のことを重視することを面白くないとする風潮があったと思います。

この業界では仕方のないことですが、毎日〆切があり、その〆切時間が夜遅いため、拘束時間は長いです。ただ、職場環境(上司による)によっては、あまり会社に居ることをよしとせず、どんどん外に出て取材してこい、という雰囲気の場合もあるので、そのときは取材に出ている場合もあれば、実際は寝たり休んだりしている場合もあれば…といったところで、融通は聞きます。ただ、精神的にはあまり気が休まらないことが多いと思います。住宅補助はほかの企業に比べてもかなり充実しており、良い部屋に住んでいる社員が多かったと思います。

業界全体としては頭打ちで、流れとして主流の紙の新聞業は業績を落としていかざるをえないと思います。ただ他社に比べると経営基盤は安定しているので、将来性や成長は見込めないにせよ、倒産することはないと思います。状況打開のためには、インターネット・デジタル関連の事業に力を入れていかなければいけませんが、今のところ、成功しているとは言いがたいと思います。

正直、もっと激務かと思ってた。というのが第1印象でした。良くも悪くも、配属される地方や部署によって労働環境や人間関係はまったくかわってきます。別の会社に入ったのかというくらい。私の場合は、その意味では恵まれていたような気がします。人の印象は、面接で受けた感覚とあまりかけ離れたところはありませんでした。

全体的に給与・賞与に関しては満足していました。評価制度ももちろん備わってはいましたが、内容自体を客観的に評価することがむずかしい性格の仕事なので、人によっては不公平感を感じる場合もあるのかもしれません。また、業績によって大幅にプラスされるということもあまりないので、実力主義で成果に対して相応の給料を!ということにこだわる人にとっては、微妙な環境かもしれません。

ビンラディンに会ったとしたら、何を質問するか新卒で受けたが、マスコミ業界のなかでは気をてらったような質問はほとんどなく、自分が会社い入って何をしたいのかというところを明確にできればとくに問題はなかった。あたる面接官にもよると思うが、極端な圧迫面接等はなく、基本的に話をよく聞いてくれる面接官が多かった。

【社長】秋山規模の大きい会社で、若手はとくに地方に出ているので、社長と関わる機会は皆無に近く、魅力を感じるところもなにも、人柄もまわりの人からの評価もよくわからない。満足している点といわれても、可も不可もなくという感じ。ただ、上層部が出す組織改革案はたいてい現場の意見を汲んでいない場合が多いので、社長個人ということではないが、当時批判は多かったような気がする。