かつては新しい世帯を構えたら、新聞を購読することは当然のことでした。経済紙は日経、一般紙は朝日というように、1世帯で2紙以上購読する世帯も多くありました。しかし最近では、インターネットなどで無料で情報が得られることから、特に若年層の間で新聞離れが顕著です。そのため朝日でも、ウエブ上でも新聞を発行したり、教育に力を入れたり様々な取り組みをして、生き残る道を模索しています。

新聞社というと新聞記者だけを想像しがちですが、実際には職種のデパートと言われています。記者、営業(販売、広告)、事業、デジタルメディア、管理(総務、経理)、製作など、多くの職種の人が集まっています。以前は、縦割りが激しく、入社時のローテーションを除いて他の部署に希望して異動することは難しかったですが、最近は社内公募制度もあり、大分ハードルが下がってきたと感じます。

朝日新聞社では常設の早期退職制度がありますが、それとは別に、2010年から11年にかけて、転進支援制度という形で募集をしました。対象は45歳から58歳までで、通常の退職金とは別に、年収の半分を60歳まで(ただし最長で10年)保証するものというものでした。通常の早期退職から見ればかなり恵まれた制度であり、いろいろ検討した結果、退職することにしました。