12年前に入社した当時の甘太郎は、ほとんどのメニューが手作りでしたが、ここ数年はセントラルキッチン科が進み、包丁はほとんど使用しません。刺身のマグロですら、切ったものが納品されます。厨房社員が不足している為、調理経験がさほどなくても、すぐに料理長になれます。ただ腕のある職人肌の人にとっては面白味がないと思います。

私の在籍している甘太郎事業部は業績が悪く、社内から整理対象事業部と言われています。一応創業業態なのですが、12年前と比較して手作り感がほとんどなく、料理の味がまずくなっていますので、客足が遠のくのも当然です。甘太郎としての新規出店は近年はなく、他業態への転換もしくは閉店が進んでいます。社風は、理論ではなく精神論が強く、月間予算利益の到達が厳しくなると、営業時間の延長、利益を捻出をするために人件費の削減を強く求められる為、おのずと社員の労働環境は悪くなります。売上規模の小さい店舗もしくは売上の悪い店は、営業時間外でのアルバイトの使用は認められないので、掃除から仕込み、閉店作業といった事は全て社員でこなさないといけません。(1店舗社員2名配属)店舗責任者となっても、実績をださないと店長として認められないので、一般社員のまま店長業務をしている社員も結構います。

家賃の25%が住宅手当として支給されます。(上限30000円)営業前に賄いが食べれますが、月5000円給与から控除されています。労働組合があるので、東京ディズニーランド、USJといったメジャーな遊園地の割引券がもらえます。(1500円くらい割引になります。)6月に社内運動会があり、ボーリング大会、バーベキュー、海釣り、ソフトボールといった各種催しがあります。

店舗に配属される女性社員は、ほとんど退職します。女性といえでも、よっぽどの理由がない限り深夜勤務があります。本当に飲食の仕事が好きという人でしか、お勧めできない職場です。本社配属の女性社員は、週休2日休みをもらえているみたいなので、結婚されてもそのまま仕事を続けている方もいらっしゃいますが、当然辞める方もいらっしゃいます。

数年前までは、最低でも月6日公休消化しようと社内で取り組んでいましたが、ここ最近は業績が芳しくないので、ほとんどの社員が月4日しか休んでいません。有給休暇なんて、退職しない限り消化できないと思います。しかし7月～9月の期間で4連休(夏休み)が取得できます。うまくいけば公休と組み合わせると、6連休も可です。

毎月本社で、アカデミー(研修)が開催されています。数値管理、労務管理、サービスマナー、厨房研修、メンテナンス講習、店長候補研修、労務管理といった講座があり、各自で選択して申込みして、受講します。身につけたスキルは、同業他社でもあまり役にたたないと思います。なぜなら、厨房技術を学べないからです。真から技術をつけたいのであれば、他にいかれることをお勧めします。

どこに配属されたいですか??私の時は、一次面接は5人くらいの集団面接でしたが、今は個人面接で採用教育課の課長か人事部の次長が担当します。他業態からの応募になりますと、転職回数が少ないほど有利になります。(同業でも同じかもしれませんが・・・)二次面接は、以前に営業本部長をしていた方となり、終始和やかな雰囲気で行われます。

早ければ、3か月で店舗責任者になれます。厨房社員は不足気味なので、すぐに料理長代行になれますが、正式な店長、料理長になれるのは、実績も必要ですがほとんどはそのときの運です、店長、料理長試験は、毎月行われていますが、それに受かったからといって、店長、料理長にはなれませんから・・・。最近は、モチベーションの低下が著しく、辞めたいと思う社員は多数だと思います。

去年、香港に4店舗出店しました。当時、豊富な資金を用意して、積極的に海外進出を行うという事でしたが、国内事業の業績が芳しくなく、海外出店を凍結するような噂も流れています。4店舗目がオープンした時、私も実際にその店舗に行きましたが、立地は超一等地にありながら店内は閑散としていました。おまけに居酒屋でありながら、アルコールの免許が間に合わなかったみたいで、飲み物はソフトドリンクのみでした。やはり海外での事業は、いろんな面で大変なのだと思います、

現状年2回の評価で店長ランクをあげるのは、至難の業です。なぜなら、対前年売上を超えるだけでも大変だからです。料理半額、ドリンク半額といった、強力な販売促進を毎年やり続けていますから・・・。そういう意味では、上司の受けが良ければ、これといった実績がなくても地区長になれます。現在でも20代の地区長が多数います。部長以上になると、創業者の会長に認められないとダメです。ここ数年は、一年置きに社長が替わっています。会長の意向が強く反映されますからね。