大胆な人員削減を行い、優秀な社員を残すことによって、社員に自分は優秀であるという自覚をうながし、モチベーションを高めている。そのため、毎年のように人員削減を進めている。人員削減の対象にならなかった社員は、やりがいや面白みを感じると同時に、選ばれた優秀な社員であるという自覚を得られ、業務が効率アップする。

【社長】Mamoon Rashidぶっちぎりのリーダーシップ。スピード感溢れる素早い経営。思い切った決断力。日本人にはないものを持った社長です。とりわけ、人員削減を思い切って進めています。毎年のように、思い切った人員削減を行っているため、非常に優秀な社員しか残っていません。三洋半導体がオンセミコンダクターに買収された当時、6千人いた社員は、現在では半分以下に減りました。これほどの決断ができるのは、Mamoon社長だからこそです。

三洋半導体がオンセミコンダクターに買収されて以後、独自開発はほとんど行っていません。そのため、開発費がかからず、効率的な経営になっています。いわば、ジェネリック医薬品のメーカーが効率的経営で儲かっているのと同じことで、オンセミコンダクターグループに入った三洋半導体も効率経営を目指しています。以上のことから、財務体質は間もなく健全化し、強靭な収益性を得られると考えられ、成長性および将来性は非常に大きいと思われます。

オンセミコンダクターに買収されたとはいえ、三洋電機の時代の雰囲気や人間関係が、色濃く残っています。そのため、ギスギスしたところが、ありません。これといった派閥争いも、ありません。みんな、のびのびと仕事をしています。ここ数年、毎年のように人員削減をしていますが、辞めた人と残った人が、いっしょに飲み会に行くこともしばしばです。雰囲気はとても良いです。

有給休暇はとりやすい。外資系企業になったため、強制的に取得させられる場合もある。その他の福利厚生は、三洋電機時代から見る影もなく崩壊し、完全に自己責任となっている。カフェテリアプランも、今はない。そもそも、ボーナスカット、給与カット、残業規制などを実施している会社が、福利厚生を継続できるはずもない。三洋電機時代の過去の栄光にとらわれていると、現実を見失うだろう。今となっては、一中小企業、一町工場に過ぎないということを肝に銘じて、勤務しなければならない。

人事評価制度は、外資のシステムに統一されつつある。しかし、組織は日本企業のままである。そのため、日本的組織運営と外資系評価システムとのギャップを埋められていない。依然として流動的な状態が続いている。外資系企業のわりには、給与は安い。賞与カット、残業規制も依然として続いている。ハイリスク・ローリターンである。

女性にとっては、休みを取りやすい職場だろう。まだ三洋電機時代の栄光がわずかに残っている。業績が悪く、残業規制が厳しいため、平均的な日本企業に比べれば、早く帰宅できる。ただし、サービス残業の風習は残っており、外資系企業としては奇異な存在だろう。会社の方針として、三洋電機のままでいたいのか、外資系企業に衣替えしたいのか、わからない。方針が不明瞭であり、どうしたいのか分からない。日本的な感じで、何も決められないまま、ずるずる時間だけが過ぎて行き、気がついたら取り返しのつかない状態になっているかも知れない。そういうリスクを肝に銘じながら、貴重なプライベートの時間を有効利用するのが良いだろう。

三洋電機時代の福利厚生がわずかに残っているため、女性にとっては働きやすい職場だと思う。キャリアを目指す女性も、目指さない女性も、それぞれに最適なコースを見つけられると思う。また、外資系企業になったため、キャリアを目指す女性にとっては、さらに選択肢が豊富になったと言える。米国系の外資企業なので、最も重要なのは英語である。英語ができれば、他のことは少々できなくてもよい。専門分野に関する知識やスキルも、あやふやで良い。最も重要なことは、英会話である。英会話さえできれば、仕事はできるし、専門知識やスキルは邪魔になることさえある。

三洋電機の頃に入社しました。大手電機メーカーならどこでも同じと思っていました。しかし三洋が他の大手電機メーカーと違った特長は、創業者が強いリーダーシップを発揮していました。しかし、現在は三洋半導体はシステムソリューションズと社名が変わって外資系企業になったので、自己責任での経営が求められます。アメリカ人の社長の元で、みずから方針を決めて行かないといけません。この辺が今後の課題だと思います。自発的にやりたいことがある人には、良い職場だと思います。

オンセミになってから、お金儲けには忠実になりました。お金儲けにならない仕事は、やりません。判断基準が、とても分かりやすくなりました。半導体は種類によりますが、儲かる製品はあまり残っていません。たとえばCMOSセンサーは儲かる事業です。DRAMも儲かる事業に戻りました。フラッシュメモリも規模が大きければ儲かります。インテルも儲け続けています。しかし、アナログICは儲からない状態が続いています。レッドオーシャンです。オンセミは儲からない仕事はしないので、このままでは仕事がなくなるのが明らかです。そのため、結論は自動的に決まりました。

学生時代に一番打ち込んだことと、成果を教えてください。三洋電機の入社試験を受けたので、現在とは状況が違うと思います。三洋電機は、普通の日本の会社の入社試験だったと思います。ですから、面接対策の本を読んでおけば、普通に入社できました。現在は外資系企業なので、外資系企業向けの対策をしないといけないと思います。英会話は最低限必要です。