早期希望退職制度を利用しての退職です。三洋電機からオンセミコンダクター社との経営統合以来、毎年のように構造改革が実施されています。工場の閉鎖も相次いでおり、人材の流出も多く、組織が不安定化していく中で、今後、安定してキャリアが積めないこと、待遇の向上が見込めないこと、先々の雇用への不安と考えて退職を決断するに至りました。

基本的な給与・賞与は国内の電機メーカー並みと思いますが、構造改革の最中。給与・賞与のカット、残業の規制などもあり、現時点では額面通りではありません。評価制度は現在オンセミコンダクター社のシステムに移行していますが、三洋半導体における昇進昇級やキャリアパスについてはオンセミコンダクターと同等の扱いという感触はなく、ほぼ凍結状態に近いと思います。

基本的にはもとの三洋電機の社風があるかと思いますが、上司から部下、先輩から後輩、といった部分での面倒見はいい会社ではないかと思いますので仕事を通じて学べることは多いと思います。設計から販売まで一貫した半導体製品の製造メーカーですので、部署にもよりますが、企画から営業まで製品工程の多くを経験することも可能です。

福利厚生は外部委託(ベネフィット)になります。健康保険関係はパナソニックの健康保険に入っていますので療養所・提携施設などはそちらの方からも利用可能です。休暇制度や各種補助の関係は、オンセミコンダクター社の移行により、日本的な制度はグローバルは規定に見直しが進められており、勤続表彰・リフレッシュ休暇など含め、現時点では流動的です。

もともと三洋電機の社風を引き継いでいるようなところがあり、比較的自由で、若い人でもものを言いやすい職場の環境はあると思います。部下から上司や後輩から先輩などへの相談などもあまり遠慮のいらない相談しやすい雰囲気はあると思います。ただ現在においては、度重なる構造改革で、組織そのものが縮小傾向ですし、そういった雰囲気も薄れつつあるように感じます。

オンセミコンダクター社自体は売上・利益など成長している感はあると思いますが、国内の半導体の業界そのものが芳しくない状況であるので、著しい成長性は期待できないと思います。現在の構造改革の結果や、事業分野の選択と集中で何かしら効果があることが期待されると思います。ただし、構造改革による組織の疲弊、人材の流出などから、新規事業の立ち上げも急な効果は期待できな印象を受けます。

プライベートとのバランスの調整という意味では、過度な残業や休出が日常茶飯事などということはないので、プライベートな時間は比較的とりやすい会社ではないかと思います。有給休暇の取得にもそれほど気をつかわされるようなこともないと思います。出産や育児についても比較的手厚い対応をいただいたと思いますが、オンセミコンダクター社の意向から今後どうなるかはわかりません。、

【社長】マムーン・ラシッドアメリカのオンセミコンダクターから三洋半半導体の社長に就任されています。いかにも外資系で経営修士をマスターしていますという感じで、非常に合理的なものの見方をされます。実際にお話ししたことはありませんが、ステークスホルダー優先でビジネスはビジネスと割り切って合理的に会社を立て直そうという姿勢に、海外の経営者はこういう感じなんだと感じさせてくれます。