商品力はかなりあるが、マーケティングがうまくなく市場に入り込めていない。営業力でカバーしているが、人員不足のためチャネルが拡げられていない。社内風土はフランクでとても居心地が良いが、転勤族になってしまうのは避けられない。特に女子社員については転勤があまりなく、あっても名古屋なので、地盤が名古屋の女子に取っては働きやすい環境といえる。

評価制度については明確で、やっている人やっていない人が比較的フラットに判断される印象。しかしながら給与には結びつかず、ボーナスで差がつく。若手の時は低年収で苦しむ。転勤族になる替りに、非常に手厚い住宅補助制度があり、良い物件に住む若手も多い。キャリアパスについては、人材はだぶついている印象があり、上に上がることが難しくなってきている。ポストがない。

年に数回、通信研修が必須ということがあった。実際は任意なのだが、受けないと上司からクレームが来る。一度自分で立て替え払いをして(高いものだと4万円とか)講座終了を持って50～100%の補助を受け取れるという結構アレな仕組みであった。やりたくもないペン字とかやっていた人もいたし、わざと簡単な講座にする人もいて効果としてはあまり成果が上がらなかったのではと思う。

福利厚生は年々良くなってきていると思う。何か☓が付いてもある程度禊が済めば何なりと復帰できる。例えば遠隔地へ数年転勤したあと、首都圏でメイン担当を任せてもらえる、など。間違いを起こしても更生のチャンスがある。

楽に業務を行える点。ルーチンなのでコツが掴めれば大体スムーズに進められる。営業は数字に対するコミットで詰められず、企画は親会社が決める方針を横流ししていけば良いだけの当事者意識が必要とならない環境である。その為、気の抜けたような雰囲気があるが、裏を返せばみんな優しいとも言える。法人相手の為、担当先で実績が変わる。

仕事の幅が限られることによる、ビジネスマンとして成長が止まると感じた。例えば、十年以上、家電量販店営業担当である等。数年に一度の転勤に怯える生活で、土地に根を張った人生を過ごせないと感じたこと。自分のその会社でのピークが転職したタイミングであったと感じたため。今後の業績の見通しが、自分にとって魅力的には映らなかったため。

私が在籍していた頃は特にワークライフバランスを意識した取組は感じられなかった。残業にしても、営業であれば認められることが少ないことが多かったし、それは地域の営業所によってまちまちであることが、更にモチベーションを下げていた。最近ではかなり改善されたようだ。また、出張が多いため、土日もまたいでしまっている担当も居る。

入社時点では、ミシンの会社としてのイメージが強すぎる。今でこそプリンターメーカーとしての地位を確立しつつあるが、一般コンシューマまでは全然行き届いていないと感じる。「第三の選択肢」としてのマーケティングを展開しているが、キヤノン、エプソンが息を吹き返している現状と、家電量販ビジネスの衰退をキチンと捉えているのかがポイントである。