経営面では引退後でも創業者さんの意思が強く働いている。管理職は殆ど責任を取らないケースが多い。退職の理由はスキルが磨けない環境であることと、凄いと思える先輩が全く居なかったこと。殆どの先輩が入社10年以内に辞めてしまうため組織が育たない。せめて賃金が良ければ良かったが、それもなかった。社宅は5年程度しか住めない上、住宅補助がない。昇給は殆ど見込めない。

現状、30代後半であっても1000円、2000円ペースでしか給与が上がらない。住宅手当無しで家を借りれば、手元に残るお金は毎月15万弱。でも社内ではこれでも恵まれている方だった。若手は家賃を支払ってせいぜい10〜12万手元に残れば良い方だろう。これでは家族の大黒柱はやりきれない。会社も対策をとる気がなかったのが悲しすぎる。希望がなかった。

会社のミッションが不明確で、曖昧な方向性だけが一人歩きすることがよくあった。総じて手詰まり感があり、突拍子もない一部の人たちの思いつきで、会社が振り回されることもしばしば。会社の役員の方々も抽象的な事業ビジョンの提示に留まり、具体的な戦略を提示できずにいるように感じられた。戦略を持たないため、何にどのくらい力を割くべきかが見えていない。いつの間にか優秀な社員ほどいなくなってしまった気がする。管理職も50%以上入れ替わってしまった。研究開発力は会社のモノ作りにおける原動力である。入れ替わりが続いている状況の中ではなかなか次の一手が打てないのではないかと思う。