取締役の方から相談を受けて、非破壊検査株式会社へ一年間出向して非破壊検査技術者の資格を会社の全額負担で取得することが出来ました。非破壊検査でクランク軸内部や表面に亀裂がないようにチェックもしていました。会社では社員のさまざまな資格取得のために、毎年、時間とお金をよく費やしています。社員も資格取得のための勉強をよくしています。

東証一部上場企業としては平均賃金は安い部類なのですが、佐世保では一、二を争う十分に高くて安定した給料です。 佐世保は物価がかなり低いのでこれだけいただければ十分に生活できますし、佐世保重工業のブランド力のおかげか住宅ローンや車のローンも安心して組めますし、支払いも当然可能な給料なので金銭面で生活に困ることはほとんど無いです。

わたしが業界に疎かったのが主な原因なのですが、予想を遥かに超えた体力勝負の職場です。 学力よりも経験重視、昔かたぎな職人気質の先輩が多数いらっしゃいますので、面食らったところが多々ありました。 仕事柄、工場内を見回ることが多いのですが、安全重視を徹底しているわりには職人気質な先輩方は余裕で危険と思われる行為をなさっているようにみえるのですが、直接本人に聞いてみると平然と、危険ではない、とのこと。 これも経験と性格の差なのかなと思うほかないです。 経験の浅い、若い従業員が怪我をした報告を聞くことも多いですが、当然、その都度、改善が試みられています。

会社の方針で、仕事がかなり減ってしまったうえに、方向性も見えないことが重なって、職場は今かなり閑散とした雰囲気になっています。社員同士での会話も「仕事が無い」という話題が多く、活気が失われている感じです。造船業そのものが人手を多く必要とする産業なので発展途上国にこそふさわしい業種だと実感しましたし、去年の希望退職で多くのおそらく有能な社員は去ったと思われますので、正直、先細りする会社だと思っています。

希望退職のおかげで年輩の社員が去っていき、若手社員が上司を勤めるようになったことは歓迎すべき状況です。上司が若いので意思疎通がはかりやすく、職場内での人間関係はかなり改善されたと思います。若いながらも個性的な方が多く、自分だけの趣味をこっそり持っててそれを語り合ったり、会社の将来について語り合ったり、ひじょうに会話のしやすい職場になりました。